事例紹介
新築
改修
高山市立荘川ショウカワさくら学園
(岐阜県高山市)


高山市
教育委員会事務局
教育総務課(取材当時)
加藤 直也さん
高山市
教育委員会事務局
教育総務課
石神 竜介さん
快適なトイレや校舎の中で
“荘川愛”を育んでほしい

義務教育学校「荘川さくら学園」は小学校の6年間を前期課程、中学校の3年間を後期課程とし、義務教育の9年間を同じ校舎の中で学ぶ小中一貫校として2025年の4月に開校しました。荘川⼩学校と荘川中学校を統合し開校するに当たって、場所として選定されたのは荘川地域の支所に近い荘川小学校です。工事は既存の校舎の改修に加え、体育館は施設の老朽化と、中学校との統合により手狭になることもあるため、全面改築へ。同時に、同じく建物の老朽化が進んでいた保育園も敷地内に隣接するかたちで新築しました。
同校の特徴は様々ありますが、教室と廊下の壁をなくした複式学級の教室や、グループ学習の発表や郷土学習に活用する「地域交流スペース」、そしてアリーナをはじめ、校舎内の随所に木材をふんだんに用いた空間づくりなどが挙げられます。
トイレは掃除がしやすい乾式清掃となり、洋式便器を採用。ゆとりあるスペースが開放感を生み出し、広めの曇りガラスから陽光が注いでいます。寒さが厳しい冬でも快適に使用できるよう、暖房設備や手洗い場における電気温水器の設置などを施しています。
トイレのデザインについては、木肌のぬくもりがあふれる校舎と調和するよう、ブースの扉には木の素材を用いています。また、特別支援学級エリアのトイレ前にベンチを設置するなど、児童や生徒がふれあえる場所となるよう配慮しています。さらに手洗い器や鏡の高さを変えることで、一人ひとりが使いやすい設計になっています。

荘川は庄川の美しい渓谷や地域芸能などの素晴らしい文化に恵まれた町です。「荘川さくら学園」は子どもたちだけでなく、地元の人々が利用する交流拠点として位置づけられ、トイレを含めた設備や空間の一つひとつに“荘川愛”を感じられる場所となっています。併設されている保育園から最長で12年間を過ごすこの校舎で地元地域を愛する想いを育み、荘川、そして高山市の未来を担う人に育ってほしいと願っています。
