感染症対策

水栓に触れることで細菌の再付着がどれ位発生するかを実験したところ、20人中20人とも手に再付着することが判明しました。
どんなに手をきれいに洗っても、手動式水栓では避けられないことであり、学校では子どもたちが連続使用するので、接触感染の可能性はより高まります。

「TOTO総合研究所での実験」［モニター20名］（2012年）
試験方法：単水栓ハンドル上部に細菌（手から回収）を500cfu程度付着させた。滅菌手袋を着けた手で単水栓ハンドルをさわった直後に手袋から細菌を滅菌綿棒で拭き取り回収した。回収した細菌は標準寒天培地にて36℃で24時間培養後に計測した。

固形石けんには多くの細菌が付着

107個以上の一般生菌数が確認された網の状態

児童生徒用手洗い設備および石鹸等の微生物汚染状況調査「平成21年度 学校における食の安全に関する実態調査報告書」

固形石けんと液体石けんの細菌汚染の調査結果

【細菌検出結果】

出典：McBride Mollie E. (1984). Microbial Flora of In-Use Soap Products. Applied and Environmental Microbiology, 48(2), 338-341
https://doi.org/10.1128/aem.48.2.338-341.1984

学校のトイレ研究会「全国自治体アンケート調査」（複数回答・上位７項目）

学校のトイレ研究会「2021年度全国自治体アンケート調査」（複数回答・上位10項目）

感染制御学や建築設備の専門家の方々にご参集いただき開催した有識者座談会では、トイレを安心・快適に利用するための衛生環境づくりについて、次のようなご意見が聞かれました。

学校のトイレ研究会発行
「パブリックトイレ感染症対策ブック」

科学的知見から衛生的なトイレ・手洗い環境づくりを解説!!

研究誌のページへ

『新型コロナウイルス対策がインフルエンザ感染者数も抑えた』
『有効なのは、ウイルスの種類を踏まえたしっかりとした手洗い』
『重要なのは、手を洗ったら、その後何も触らないこと』
『トイレは乾式清掃化を徹底し、和式便器をなくして細菌の温床をなくす』

感染症予防には、手指衛生と合わせて「接触感染経路を断ち切る」ことが有効です。ただ、トイレに入ってから出るまでどこにも触らないということは不可能です。
リスクを軽減するために、できるだけ接触が少ない機器や衛生的な建材を導入し、かつ、用を足した後、最後に接触感染経路を断ち切るために、どこにも触れず手を洗い、トイレから出ることが重要です。
併せて、子どもたちへの正しい手洗いマナー教育と実践が不可欠です。