学校のトイレ研究会研究誌28号
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高山市の西部に広がる荘川町は、日本三霊山のひとつ「白山」の雄大な姿を眺望できる自然豊かな地域として知られています。その地に立つ高山市内で初となる義務教育学校「荘川さくら学園」は、荘川小学校と荘川中学校を統合し、令和5年度から工事を開始。この4月に開校式を迎えました。校名の「さくら」は、岐阜県の天然記念物であり、「奇跡の桜」として知られる荘川桜(しょうかわざくら)にちなんでいます。この桜は約500年にわたり、地域を見守り続けてきた特別な存在です。「同学園開校の背景には旧小・中学校や保育園の建物の老朽化と少子高齢化による人口減少がありました。その課題解決に加え、荘川地域を担う子どもたちにより良い教育環境を提供し、同学園を中心と14した将来性豊かな荘川を構築するために誕生しました」と高山市教育委員会の加藤直也さんは話します。建物全体はアリーナを中心に保育園がある建物と、教室や職員室や特別教室がある校舎が直角に交わり、敷地内には、1~9年生が通う義務教育学校のほか、保育園や給食センターも併設。校舎棟と隣接する場所には地域交流スペースが設けられ地域の会合や獅子舞などの地域芸能を学ぶ場所として利用されています。同交流スペースの利用においては、教室エリアとの動線を扉で遮ることができるようにするなど、セキュリティ面にも配慮しています。校舎からアリーナ、保育園までを屋根付きの渡り廊 下でつなぐ「 荘川のこみち」は、天候に左右されることなく快適に移動ができます。また、児童や生徒、教職員がいっしょに利用できる、広いランチルームが設置され、昼食時のほか、保護者会や教職員のミーティングなどフレキシブルに活用されています。また、特別支援学級として利用できる教室が3クラス設けられています。アリーナをはじめ、校舎内に天然の木がふんだんに使われているのが特徴的で、ぬくもりを感じる風景を創出。それらの一部には工事で伐採された敷地内の杉の木がフローリングに用いられています。岐阜県高山市2階男子トイレ手洗いコーナーをセンターに配置し、明るく見通しのよいトイレにリニューアル。自動水栓を採用。事 例荘川小学校と荘川中学校を統合し、誕生した義務教育学校高山市立荘川さくら学園地域とつながり愛着を育むトイレ01 新 築 改 修

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