今 回の新 校 舎 建 設では、設 計 段 階から地域住民や教職員、児童・生 徒とワークショップを行い、計画について検討を重ねてきました。そのなかで、トイレにおいて児童や生徒の意見が反映されたのが入り口のサインです。「通常の男女を表すピクトグラムは用いず、小学校のフロアには縄文時代に使用されていた道具、中学校のフロアには周辺の山々をアイコン化したものを採用しています。トイレ内の個室の扉には、淡いトーンのブルーとピンクを用い、男女各トイレの視認性に配慮しました」と設計を担当した東畑建築事務所の久保久志さん。永明中学校の矢﨑知広校長先生は「総合的な学習の時間でジェンダーフリーについて学ぶ機会があり、久保さんにも入っていただきました。そこで男女を区別するデザインに対して生徒たちが疑問を投げかけ、その声を全面的に受け止めていただいた結果、今回のデザインが生まれました」と振り返ります。このほかにも茅野地域の縄文文化を伝えたいということから、校舎完成前にモザイクタイル体験ワークショップを開催。縄文文化をイメージしたデザインを募り、選定した作品が1階トイレのモザイクタイルに反映されています。永明小学校・永明中学校の校長先生方は、「新しい校舎の新しいトイレだからこそ、どうすればいつまでも美しい状態を残せるか、みんなで考えて使い、そして、掃除に取り組んでいこう」と機会があるごとに伝えています。そこには、ワークショップなどで児童や生徒たちも新しい学校づくりに参加してきたからこそ、トイレの清掃についても自分たちで主体的に考えることを大切にしていきたいという願いが注がれています。学校のトイレ 事例詳細情報はこちらトイレサインピクトグラム地域の特性を生かした、創造性豊かなトイレサイン。トイレ壁面デザイン土やモザイクタイルで児 童・生 徒がいっしょになって創作。地域性を表現したここにしかないデザイン。3階北 トイレ八ヶ岳と紅葉を表現。タイルに角度を持たせ雄大な山並みを感じさせるデザインに。メディアセンター/図書館メディアセンター内にあり、地域の方も利用できる。靴を脱ぎリラックスして絵本を読めるコーナーもある。メディアセンター/プレゼンテーションスペース地域の方の交流拠点としても利用。2階南トイレ/トイレ入り口手洗いコーナー木 材の優しさをさらに際 立たせるアールを採 用した設計。2階南トイレ/トイレ内手洗いコーナー明るくさわやかな色づかいのトイレ。身だしなみを整えるカウンターも設置されている。茅野市立永明小学校/児童さん2階北トイレ/トイレ入り口手洗いコーナートイレ前に設置された手洗いは広々とし、清潔感と機能性を兼ね備えている。9学校のトイレ 事例検索児童や生徒たちの交流の場やほっとする空間に
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